無言の街

詞/曲 佐野貴紀


太陽が街影を食い殺して

空は今日も憂いに眺めている

この景色と俯く人の声や

誰かの言葉流されては消えていく


深く潜っていけば朝が見えた

不安や痛みは全て慣れてしまった


街の中で見えた確かなものは

いつの間にか夜へと溶けていった

こぼれ落ちた理想と僕らの影が

くだらない夜を焦がすように染まって見えた


嫌いなものを好きと言って

誰かに合わせるのが得意になった

好きなものを好きということ

うまく言えなくなった大人になったんだ


つまらない夜を越えて今日になった

不安や痛みは全て独り言になった


雨が降って埋もれた一つの声が

夜に溶けて明日へと消えていった

握りしめた理想と僕らの影が

何も言わない街の色に染まって見えた


街の中で見えた確かなものを

握りしめて繋ぎ止めて守り続けた

剥がれ落ちた理想と僕らの影が

何も言わない街の色に染まって見えた